日本病院会ニュース(2月10日号)

 


《記事》

会員の実質負担額が増大 −消費税調査の速報値− (1面)
病院の消費税の実質負担額の求め方 (1面)
無影灯 (1面)
閉経後高コレステロール血症予後調査研究事業 (1面)
診療報酬改定案 諮問へ −中医協− (2面)
医科診療報酬主要改定項目−T案の要旨 (2面)
医科診療報酬主要改定項目−U案の要旨 (2面)
診療報酬改定で要望 −四病協− (2面)
平成14年度診療報酬改定について特に、マイナス改定に関する見解と要望 (2,3面)
国際モダンホスピタルショウ2002 (3面)
シリーズ特集第2回 (3面)
常任理事会だより (3面)
中小病院コーナー (4面)
四病協通信 (4面)
会員消息 (4面)
新刊案内 (4面)

 


*会員の実質負担額が増大 −消費税調査の速報値−

◆損税 一般病院で平均7482万円、1.32%に
 日本病院会の医療経済・税制委員会(池澤康郎委員長)による「病院の消費税に関する調査」(496会員病院の平成12年度決算数値による)の速報値がまとまり、最終消費者に転嫁できない病院の負担額が前回(10年度)に比べて増えていることが判明した。一般病院(ケアミックス病院を含む474病院)の1病院当たりの平均で7482万円となり、前回の6042万円から1440万円増え、また病院の持ち出しとなる実質負担割合は0.23ポイントアップの1.32%となった。全体の負担割合でも、同率アップの1.31%となっている。回答した非課税売上金額の総額は2兆8000億円余りで、国民医療費の1割近くを占める。

 今回の消費税調査は、平成9年と10年に続く3回目となる。一般病院(ケアミックス病院含む=以下同様)の〈控除できない消費税額割合〉(非課税売上に対する消費税相当分)は2.85%となり、厚生労働省が診療報酬に補填したとされる1.53%(平成元年0.76%、9年0.77%)を1.32%上回る結果となった。この上回った分が損税となる。

 一般病院の〈控除できない消費税額割合〉を公・私別にみると、公的は前回に比べ0.28%アップの3.03%となったが、私的は0.03%増の2.36%とほぼ横ばいを示した。これは公的の増加分が、そのまま全体を押し上げた格好となった。しかし、公的で1.50%、私的で0.83%の損税を抱え、病院経営に深刻な打撃を与えている実態に変わりはない。

 公的の負担割合が、目立つ増え方をした原因は、主に建替えの増加によるものと分析している。今回の調査は、介護報酬も非課税売上の対象とし、これが若干数が含まれているが、速報値全体には影響は少ないとみられる。

 経営主体別の負担割合のバラツキが大きいことも、前回同様に浮き彫りになった。公的は私的よりも0.67ポイント高く、前回の差0.42ポイントが拡大した。公・私を構成する各経営主体でも前回同様バラツキが認められる。最も高かったのは自治体の3.15%。このことは、固定資産取得に伴う分が影響した結果と読みとれる。いずれの経営主体とも、厚労省補填の1.53%を上回っている。

 一方、159病院について定点観測を行い、材料費等と固定資産取得に分けて個々の費用の推移と負担割合などを明らかにしている。

 今後は調査報告書をまとめると共に、消費税解消を訴えるための基礎資料として従来どおり要望書等に活用する方針である。

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*病院の消費税の実質負担額の求め方

 1、〈医業収益の非課税売上〉には診療報酬の中に補填分1.53%(@)が含まれている。496病院の総額は2兆7556億6216万円(A)で、国民医療費29兆円の1割弱に相当。納付した消費税総額は813億4772万円(B)。1病院当たり1億6400万円となる。ただし、この平均値を超えているのは、公的病院の292病院(約59%)である。

 2、〈控除できない消費税額〉の算出は、Bに非課税売上割合を乗じたもので、総額771億9359万円となる(Cただし、ここでは表中の個々の病院の合計値を表記)。1病院当たりでは1億5563万円。

 3、CをAから@の補填分を除いた正味の〈医業収益の非課税売上〉2兆7141億3588万円で除すると〈控除できない消費税割合〉2.84%が得られる(D)。

 4、補填分が2.84%あれば損税は発生しないことになるが、1.53%との差1.31%が持出しとなっている。総額は355億518万円で、1病院当たり平均7168万円。

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*無影灯

 中医協で薬の一般名処方が議論されている。銘柄指定よりも一般名処方に報酬を高くしようというものだ。ではどんな影響があるのか

 ▼医師は一般名処方には馴染みが薄いため、最初は負担となるだろう。だが、様々なメーカーが出す同じ成分の薬品名を覚える必要がなくなる。一方、同じ成分の薬でも複数の剤型や用量に違いがあり、細かく指定すると銘柄指定と変わらなくなる可能性もある

 ▼薬局は、銘柄指定の場合、同じ成分の薬でも医療機関の処方に応えるため多くの薬を用意せざるをえない。一般名処方だと薬品の在庫が減るかもしれない

 ▼では患者にとってはどうか。一般名処方でも、薬局によって出される薬が決まるのなら、患者の選択にはならない。そう考えると、それぞれの価格情報を含めて選択肢を示し、すべてを在庫する必要がある。また患者負担や医療費は、一般名処方により後発品が使われれば抑制されようが、両者の関係は必ずしも一致しない

 ▼結局、目的が明確でない政策は混乱をもたらすだけだ。一般名処方が医薬品の合理的・効率的使用に結びつくしくみが検討される必要がある。(Y・N)

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*閉経後高コレステロール血症予後調査研究事業 

 日本人間ドック学会は、4月から同事業を立ち上げる方向で、昨年12月6日に運営委員会(矢崎義雄委員長)ほか3委員会を設置した。現在107施設(3万9千人)のデータを収集しているが、予定参加者数まで協力依頼を行う。健診指導の際に問題となる、女性の閉経後の総コレステロール値の是非を検証する。

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*診療報酬改定案 諮問へ −中医協−

◆点数下げと要件引締めの方向鮮明
 平成14年診療報酬改定の方針を検討していた厚生労働省の中央社会保険医療協議会(星野進保会長)は、1月30日、2月6日、8日の総会で、当局が提示した同改定の主要改定項目案を集中的に協議し、概ね合意したことから、次回総会(日程未定)で厚労相から諮問を受ける方針が固まった。初のマイナス改定による同案は、点数の引下げと算定要件の引き締めで医療費を抑え込む方向が鮮明だ。医科診療報酬主要改定項目案の要旨を掲載。全文を本会サイトに掲載)

 注目されるのは、一般病院入院基本料の平均在院日数短縮の考え。一般病棟入院基本料1の場合、現行25日以内→21日以内に、同2を28日以内→24日以内と各4日短くなる。実態に合わせ、施設数と患者数が共に約8割を占めている在院日数区分を要件に当てはめたと説明。併せて急性期病院加算と急性期特定病院加算も20日→16日に短縮される。しかし医療現場では「現在の在院日数をクリアするため要件以上に人員を配置している」(四病協関係者)との実態も報告されており、今回の影響が危惧される。

 再診料と外来診療料には、同一月の受診回数に応じた逓減制が導入される。大病院への外来集中を軽減させるねらいだ。

 複合病棟(ケアミックス)は現在100床未満病院に限り1病棟扱いの特例が設けられているが、14年3月時点で届出ている場合、特例が継続される。ただし、看護補助配置が現行10対1→6対1、入院基本料と加算も変更される。

 手術料は、前回改定で行った人件費構成(人数・時間)、技術難易度、消耗材料等の相対関係の調整を、再度コスト計算し、見直す方針である。

 一方、小児医療関係には重点評価がめだつ。小児入院医療管理料が常勤医5名以上、看護婦1.5対1、平均在院日数14日以内を最上位にほか1区分を追加設定する。また、新生児の集中治療管理の関連では、個別病室への入院に新生児入院医療管理加算を新設。

 患者紹介率では、緊急的に自家用車などで来院した小児の初診患者に配慮し、「時間外、休日又は深夜に受診した6歳未満の初診患者数」を算定式の分子から除き、率の低下を防ぐ。

 老人慢性疾患外来総合診療料は、複雑な要件のため運用に混乱がみられることから老人慢性疾患共同指導料と共に廃止される。

 薬剤の205円ルールは、請求を電子化している場合は算定できない。

 このほか、医療現場から懸念が出ている〈療養病床の6ヵ月超の特定療養費化〉は、いわゆる社会的入院≠ェ対象となる。期間計算は、転院先も含めて通算される。実施は、平成14年4月1日からとなり、段階的な経過措置が設定される。なお、一定の医学的状態にある患者は除かれる。

 一方、〈特定機能病院等の入院診療の包括化〉も、概ね1年後の実施が決まった。患者の疾病に応じた医療機関ごとの包括支払で、「疾病ごとの1日定額制」を原則とする。ただし、希少疾病等の包括払いが困難な場合は、手術や放射線治療、高額な医薬品等を除外した形となる。過小診療防止には、重症患者や救急患者等の受入実績や医療安全対策の実績などを勘案する方針。また、一定要件下で、患者から選定療養の特別料金を徴収する方向。

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*医科診療報酬主要改定項目−T案の要旨 1/30中医協提示資料より

1、医療技術の適正評価
[基本診療料]
○ 再診料・外来診療料…受診回数による月内逓減制
○ 入院医療…入院基本料の基本点数と特定入院料の入院基本料相当分を引き下げる。包括している入院料は薬剤分を引下げる
○ 救命救急センター…ランクCの救命救急入院料の減算(1日当たり)。
高度救命救急センターの救命救急入院料の加算(1日当たり)
○ 医療安全管理体制…医療安全管理体制未整備減算の新設(入院初日)。
要件不備は入院基本料等を減算(平成10年10月1日〜)

[管理指導等]
○ 退院後1月以内患者の在宅療養指導管理料…入院していた医療機関と他の医療機関は、一定の条件下で算定可能に
○ 指導管理・在宅医療の体系の簡素化…一般と老人の点数・算定要件等を一部一本化。対象は寝たきり老人処置指導管理料、老人在宅療養指導料、寝たきり老人訪問診療料、寝たきり老人末期訪問診療料など

[検査・画像診断]
○ 検体検査…検体検査実施料を市場実勢価格により適正化
○ 画像診断(CT、MRI)…検査1回当たり費用の実態を踏まえ、単純CT撮影と単純MRI撮影を減算

[投薬・処置]
○ 処方せん料…医薬分業が一定の成果を得つつあり、処方せん料を引下げる。後発品使用環境整備の観点から一般名処方とそれ以外を見直す
○ 酸素…価格を設定し、使用量に応じて償還する

[手術等]
○ 手術料…約1,400の全手術項目を同一の基準(人件費=人数と時間、技術難易度、消耗材料・機器減価償却費用から手術料各項目の相対関係を調整)で必要コストを算出し、点数設定をする。大きく点数が変動する項目は、一定の激変緩和措置をとる
○ 手術の施設基準設定…一定の施設基準を設定する手術範囲を拡大。一定以上の難易度と点数単価の手術は、年間症例数等の要件で施設を区分し手術料を別に設定ほか
○ 短期滞在手術基本料…日帰り・1泊2日手術の促進のため点数を改定

[精神科専門療法](略)

2、機能分担と連携
[小児の入院医療等]
○ 小児入院医療評価…小児医療充実のため小児入院医療管理料の新たな施設要件を設定(3ランク)
○ 療養環境に特別な配慮が必要な小児入院患者…個室管理を必要とする小児患者に対し、小児療養環境特別加算を新設(1日当たり)
○ 紹介率計算方法…一般病院・特定機能病院の紹介率計算式の見直し。分子から〈時間外、休日、深夜に受診した6歳未満の初診患者の数〉を除く

[高齢者の入院等]
○ 高齢者等の長期療養…介護保険との機能分担等を踏まえ、初期加算・長期減算を廃止。単純エックス線、簡単なリハビリ等を包括化。看護配置6:1を廃止し、5:1を標準とするほか
○ 長期入院患者…医療ニーズが低く、介護施設や在宅で対応可能な6ヵ月超の入院基本料を特定療養費化する(実施は15年4月、経過措置設定、記事参照)

[精神医療](略)

[リハビリテーション]
○ リハビリテーション…20分単位の理学療法等の点数設置(3ランク)、早期リハビリテーション加算で病棟ADL訓練加算を新設ほか
○ リハビリテーション施設要件…一定要件(人員・訓練室)の下で総合リハビリテーション施設に承認ほか

[その他]
○ 一般病棟入院基本料…平均在院日数を実態をふまえ短縮する。一般病棟入院基本料1は25日以内→21日以内に、同2は28日以内→24日以内に。急性期病院加算と急性期特定病院加算は20日→16日に
○ 入院基本料…入院医療の適切評価のため長期入院の入院基本料の減算とT群入院基本料の廃止、入院基本料3〜5を廃止、U群入院基本料の廃止

3、出来高と包括の組み合わせ
○ 薬剤料等の包括化…薬剤料を包括した入院料は薬剤料の合理化分を引下げる。薬剤料等を包括した指導管理等、在宅医療を内容に応じ引下げる
○ 検査料の包括化…検体検査実施料を引下げる

4、その他
○ 薬剤の長期投与制限の原則廃止…慢性疾患の増加等により、医薬品名、疾患名を限定した薬剤の投与日数の制限を原則廃止する(一部例外あり)

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*医科診療報酬主要改定項目−U案の要旨(追加分) 2/6中医協提示資料より

1、入院医療の評価
[入院基本料等]
○ 急性期入院医療…急性期病院加算と急性期特定病院加算の施設基準を追加。名称変更
○ 夜間看護体制…夜勤帯の看護職員(看護婦・准看護婦)10:1を新設
○ 入院料区分の簡素化…看護補助加算3:1、老人一般病棟入院医療管理料2、老人性痴呆疾患療養病棟2を廃止
○ 複合病棟の基準…平成14年3月に届け出ている保険医療機関(100 床未満)を対象に、所定の入院基本料を算定可。ただし要件を変更

[特定入院料等]
○ 特定集中治療室管理…重篤患者等の割合が一定程度以下の場合は減算
○ 入院患者の特性評価…回復期リハビリテーション病棟入院料にADL訓練の要件設定ほか

[医療機関別の包括評価]
○ 特定機能病院等の入院診療の包括化…(実施は概ね1年後、記事参照)

2、 外来医療の評価
○ 小児夜間・休日診療体制…地域連携小児夜間・休日診療料の新設
○ 老人慢性疾患外来総合診療料(外総診)等…現行算定要件の複雑さをふまえ、外総診と老人慢性疾患外来共同指導料を廃止

3、 医療機関の連携評価
○ 僻地・離島の遠隔診療…受信施設の要件を臨床研修指定病院等に拡大
○ 寝たきり老人在宅総合診療料(在総診)…在総診算定医療機関と連携先・患者間での情報提供の充実の観点から、算定要件と評価を見直す

4、 医療技術の適正評価
○ 放射線治療…高エネルギー放射線治療の難易度毎の評価(3ランク)

5、 特定療養費制度の見直し
○ 特別の療養環境の提供…特定機能病院等包括評価の対象となる病院の差額ベッドを、一定要件下で現行病床数の5割以下を7割まで認可
○ 予約診療…紹介状持参の患者にも予約料の徴収を認める
○ 200床以上の病院の再診の特定療養費化…特定機能病院等(包括評価対象)では特定の料金の徴収について、初診同様、再診も認める。、さらに複数診療科を受診した場合、受診科毎に特別の料金を徴収できる。このほか、一定の条件を満たす場合の200床以上の病院の再診についても、特別の料金を徴収できる

6、その他
○ 205円ルール…医事会計システムを電算化している医療機関、保険薬局は同ルールを適用しない。手書き請求の医療機関、保険薬局は、一定金額までの薬剤名の記載を省略できる 

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*診療報酬改定で要望 −四病協−

◆技術料減額に除外求める
 四病院団体協議会は1月28日、診療報酬本体のマイナス改定に対して、医療の質の低下を招かないために医師等の技術料を減額対象から除外すべきなど5項目からなる「平成14年度診療報酬改定について 特に、マイナス改定に関する見解と要望」をとりまとめ、大塚義治・厚生労働省保険局長に提出した。1月23日の総合部会で合意されたことによる。

 他4項目では、まず今後、マイナス改定を安易に繰返すことに釘を刺すと共に、医療制度の抜本改革を通じて基本問題の解決にあたる必要を強調。さらに、当面処理に終始した結果、大きな矛盾を含んだ現在の診療報酬体系の是正を行う必要があること。また、社会問題となっている小児科医療を充実させ、IT化推進の観点から診療録管理加算の引上げなどマイナス改定にあっても、メリハリのある配慮を求めた。同時に、マイナス改定には診療所と病院が共に痛みを分かち合う必要を記している。

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*平成14年度診療報酬改定について特に、マイナス改定に関する見解と要望

 標記の平成14年度改定については、既に四病院団体協議会から平成13年10月4日付けで「平成14年診療報酬改定に対する要望書」、12月19日付けで「意見書」を提出させていただいたところであります。

 しかし、医療制度の抜本改革が進捗しない中で、公的医療保険の医療費抑制策のみを先行させる流れで、診療報酬本体のマイナス改定に踏み込む事態になったことは 極めて遺憾であります。先般提出いたしました要望書も、より良い医療サービスを目指す真摯な願いの集積であります。

 この度、マイナス改定等の現在の動向に伴い、下記に要望事項を再度取り纏めましたので、宜しくお取り計らい下さいますようお願い申し上げます。

                                記

 1、いわゆる「マイナス改定」を今後も安易に繰返すことは許しがたい事である。適切な医療制度への抜本改革による基本問題の解決を先行させる必要がある。

 2、現行の診療報酬体系のなかには度重なる当面処理の改定の結果として、大きな矛盾を含み、妥当性を欠いた項目が少なくない。報酬点数の増減に拘らず是正することが望ましい。

3、診療報酬体系の本体部分の減額は医療の質的低下を招くと危惧される。なかんずく「医師及び看護婦等の技術料」は絶対に減額の対象とすべきでない。

 4、社会問題化している「小児科医療の充実」、折角のIT化推進施策を無駄にしない「診療録管理加算の引き上げ」などの重要項目については、平成14年度改定においてもメリハリのある特段の配慮が必要である。

 5、マイナス改定については、診療所と病院が共に痛みを分かち合うべきである。

                                                              以上
 平成14年1月28日

 厚生労働省保険局長 大塚義治殿

 四病院団体協議会  日本病院会会長・中山耕作
              全日本病院協会会長・佐々英達
              日本医療法人協会会長・豊田尭
              日本精神科病院協会会長・仙波恒雄

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*国際モダンホスピタルショウ2002

◆7月17日〜19日、東京ビックサイトで
 国際モダンホスピタルショウ2002(主催=日本病院会、日本経営協会)の開催説明会が1月29日に東京都千代田区の東條会館で行われ、出展希望社が多数参加した。今年の7月17日(水)〜19日(金)の3日間、恒例の東京・有明の東京ビッグサイト(東京国際展示場)・西展示棟で開催する。テーマは、「新世紀の健康・医療・福祉−安心と信頼を求めて」を掲げる。29回目を迎え、関係者の期待が高まっている。

◆〈新世紀の健康・医療・福祉〉をテーマに掲げ 〜安心と信頼を求めて〜
 展示内容は、医療環境設備・機器、医療機器・材料、医療情報システム、看護支援関連、保健・介護支援関連、医療関連アウトソーシング、人材教育・図書などで構成。これらを環境設備、医療機器ゾーン、医療情報システムゾーン、看護・介護サポートゾーン、医療関連アウトソーシングゾーンの4つのゾーンで幅広く展開する。

 一方、主催者企画展示も趣向を凝らした内容で注目される。今回力を入れているのは、「患者さんに選ばれる外来アメニティエリア」だ。医療機関の顔である外来のアメニティを、いかに快適な環境・空間で提供できるかを探る。また、「医療連携を支援するIT最前線〜遠隔医療診断から電子カルテ情報の共有まで」では、医療連携をキーワードに、ネットワークによる医療支援、画像フィルムレスなどIT技術の活用とサービスのヒントを提供する。

 このほか、テーマの展示として、
@医療・看護・介護のためのセイフティ機器コーナー(医療事故や院内感染の予防、防止、看護者の負担軽減に役立てる看護用品・医療機器メーカーの安全に配慮した各種製品、システムの紹介)
A医療車両、福祉車両コーナー(福祉車両や電動車イス、入浴巡回車両、最新機能を備えた救急車両など)
Bブックコーナー(医療・看護・福祉等の書籍、教育用CD−ROMなど)
Cプレゼンテーションセミナー(従来のテクニカルセミナーを改称)などを予定している。

 開催期間中は、「ホスピタルショウ・カンファレンス」と日病主催の研究会、セミナーなども多数開催する。

 今回の見どころなどについて里村洋一・ホスピタルショウ実行委員長は「現在の医療環境の中で評判の悪い外来の混雑や待ち時間などの外来アメニティの問題をとり上げる。また、IT化や情報化、効率よいサービス内容の充実はどの病院も認識しているが、現在の医療制度の中では実現が難しい。来場者にこれらを認識してもらい、医療制度改革の中で活かしてもらいたい。一般市民の声を聞くような企画を考えている」と意欲を語った。

 出展の受付は同日から開始した。前回の290社を上回る300社が目標。また、来場者も前回の5万5300人規模を見込んでいる。

 問合わせは日本経営協会まで(電話03−3403−8615、http://www.noma.or.jp/hs/index.html)。

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*シリーズ特集第2回
小泉医療改革の中身と痛み−公的医療保険の守備範囲の見直し−


◆わが国の医療システムは「世界第1位」 日本病院会副会長 大道 學
 筆者が医療審議会在任中(平成元年〜9年)から既に医療制度改革の議論は継続されており、医業の近代化・安定化、医療提供体制の見直し、医療保険制度の抜本改正等の課題が盛んに議論されてきた。

 ところが、昨年、「増税なき財政再建」「聖域なき構造改革」を旗印に小泉政権が誕生して以来、状況が一変した。所謂『骨太の改革』の中の医療サービス効率化プログラムが重要な位置付けをされ、国民の圧倒的支持を追い風にその前哨戦として先陣を切って医療制度改革が取り上げられた。これによって、既存システムに風穴を開けられたことになる。その第一陣として、病院経営の根幹を揺るがすような診療報酬の大幅引き下げが4月に実施されることが確定したが、これは抜本改革の序幕であり、今年は更に改革案が目白押しである。

 この小泉医療改革の特徴は、これまでの医療審議会や中医協のような医療側も参加しての議論を飛び越えて、経済財政諮問会議、あるいは総合規制改革会議といった経済学者や腹心の経済界の人達だけの議論を根拠として(参考意見を述べる場はあったが)、市場経済の原理で判断された財政優先の政策であることだ。今回のシリーズのテーマ「公的医療保険の守備範囲の見直し」がまさにそうである。

 このテーマの具体的内容について、財務省と経済産業省などは「混合診療の拡大」を提案している。財務省はあくまでも財政保護優先の立場、経済産業省は民間医療保険開発の産業政策の立場からの提案である。これに対置して、厚生労働省は従来の政策の延長として「特定療養費の拡大」を提案している。結論を先に述べれば、財務省と経済産業省が提案する「混合診療の拡大」には反対である。反対の理由は、この案では、政府や関係省庁の官僚の恣意により、規制改革対象は際限なく拡大する可能性が大きく、国民皆保険制度の崩壊につながるからである。厚生労働省案の「特定療養費の拡大」のなかで「高度先進医療への適用」は医学・医療技術の促進と臨床現場への普及を望めるため評価はできるものの、もう1つの「差額ベッドの比率の緩和や、再診料の特定療養費化など8項目の選定医療」については、公的医療保険制度の生命であるアクセスの公平性を損なうことがあってはならない。又、対象の選定・拡大には慎重を要する。ここで強調したいことは、今、議論されているのは患者の視点に立っていない一方的な改革案であることだ。将来に向かって患者の幸せを約束する改革案ならば一時的痛みは耐えなければならないが、改悪が予測される改革案には決然として反対すべきということである。

 2000年春にWHO(世界保健機構)が「公平性」「効率性」「健康達成度」などを総合評価して、日本の医療は「世界第1位」であると発表している。バブル崩壊後、経済も産業も長く低迷している日本で唯一世界に誇れるのは「医療システムの良さ」である。このすばらしい「日本医療の良さ」を損ねる内容での医療制度改革は試すべきではない。因みに、イギリスは第9位、ドイツは第14位、アメリカは第15位である。

 更に、OECD(経済協力開発機構)の加盟国の中で、医療費の国民所得比は中程である。つまり、安い医療費で最も高い成果を上げているということだ。

 今年は医療制度改革の第2ラウンドとして、医療保険制度の抜本改正に関わる議論が継続される見通しであるが、抜本改正という言葉は、見方を変えれば「根本を抜く」ということになる。国民の健康を守る公的医療保険制度を改革するためには、経済学者や官僚の論理だけではなく、国民のコンセンサスが必要であり、いつでも、どこでも、安心して一定水準の医療を享受できる日本の医療システムの根本・根幹だけは守らなければならない。

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*常任理事会だより

〈第10回常任理事会の主な内容〉(13・1・26)
 ▼会員の入退会について
 (4めんに掲載)

 ▼厚生労働省等の依頼事項
 NPO法人防災情報機構の防災士制度推進委員会委員就任依頼に中山会長の就任を承認ほか7件の後援、協賛依頼を承認

 ▼第3四半期収支・監査報告
 会費収入は年度予算を達成した。報告を承認

 ▼委員会報告
 @統計情報…全国公私病院連盟と病院運営実態分析調査の「覚書」を取り交わした。調査票の再検討のため、専門委員による小委員会を設置する方針
 A医療経済・税制…会員の消費税調査の中間報告で、1病院平均の実質負担が1.31%・7168万円に。 (1めんに速報)
 B中小病院…情報交換会(2月9日・広島)のテーマは「医療制度改革と中小病院の経営戦略」。第52回日病学会で開催するシンポジウムの内容を確定
 C学術…日病雑誌2月号に新しい「倫理綱領」を全文掲載した。院内掲示用を会員宛に送付予定
 D介護保険制度…療養病床の介護老人保健施設への療養室面積等の転換特例について、6ヵ月超入院患者の特定療養費化との関連で論議
 E広報…次期シリーズ特集を「医療に関する情報開示」とした
 F医療制度・社会保険老人保健合同…次年度診療報酬マイナス改定に対する問題、高齢者等の6ヵ月超入院に対して、厚労省と日医に四病協として要望することを了承した。医師の臨床研修問題検討小委員会の設置を決めた
 G閉経後高コレステロール血症予後調査研究実行…研究に対し人間ドック107施設、3万9千人分の協力申し出を得てたが、さらに上積みのため受診関係者等にPRを予定

 ▼四病協諸会議の開催報告
 (次号以降に掲載予定)
 
 ▼その他報告事項
 日医「病院委員会」、日本診療録管理学会理事会の開催報告ほか2件の会議等出席報告。平成13年度厚労省第2次補正予算の臨床研修指定病院等における電子カルテの導入推進について。財津顧問から病院地域医療推進協議会が研究した微量元素食材への取り組みについて

 ▼協議事項
 平成14年度予算案ついて、一般会計収入・支出、特別会計を承認した。2月の合同理事会、3月の代議員会総会に諮る。医療法人の理事長要件に関する案件について討議し、今後日病として意見統一する必要があるとされた。日病会員アンケートでは理事長要件緩和の賛否がほぼ同数の結果を見ても、急いで緩和する必要はないのではないか。慎重に現状維持で行こうという意見が大方を占めた

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*中小病院コーナー

 いわゆる「中小病院」というものの定義はよく分からないが、関係者は何となく200床未満の病院のことを想定しているようである。

 厚生労働省も、医療制度改革案を提示したりする際に、大病院とか中小病院とかいう表現を用いているがその定議は明らかにしていない。しかし、診療報酬点数改訂の際に、200床以上の病院と200床未満の病院との間に点数上の評価の格差を設定したことにより、医療界は中小病院=200床未満という暗黙の了解をしているように思える。

 初診患者はなるべく身近な中小病院へ、大病院の外来は紹介患者を中心に…という医療政策を進めている厚生労働省が、特定療養費制度の中に「200床ライン」を導入すれば、大方の者は現実の問題として前述のような解釈をせざるを得ないのかもしれない。

 さて、この200床未満の病院の動態を直近の医療施設調査報告書に基づいて探ってみよう。

 全病院数は平成7年の9606施設から平成10年の9333施設へと273施設が減少しているが、そのうちの84・6%(231施設)は200床未満病院である。しかし、依然として200床未満病院は6478施設(平成10年10月1日現在)あり、全病院の約70%も占めている。この6478施設のうち150〜199床規模の病院は1127施設であるが、過去1年間に41施設増加しており、病床規模別に見ると最も増加している。一方、200床〜299床規模の病院は同時期に39施設減少しており、200床以上規模別に見ると最も減少している。

 200床未満病院を規模別に見ると、最も多いのは50〜99床規模の2434施設で、約38%を占めており、最も増減が少ない。50床未満病院は1420施設であるが、過去1年間に55施設も減少している。

 平成10年10月1日までの1年間に病床数を変更したのは823施設であるが、そのうち増床したのは292施設で、大半の531施設が減床している。病床規模の変更によって、最も増加したのは150〜199床規模病院である。

 以上の数字から推論すると、200床未満病院と言えども病床規模によって異なる課題を抱えているように思えるのである。

 50床未満病院は休廃止か有床診療所化を余儀なくさせられている。
 50〜99床規模病院は何とかがんばっている。
 100〜149床規模病院は直下規模病院と直上規模病院との間隙で苦戦を強いられており、減少傾向にある。
 150〜199床規模病院は直上規模病院の規模縮小による新規参入により増加し、競争が激化している。

 200床ラインと20床ラインを中小病院の生命線にしておいてよいものだろうか。

 (社)日本医業経営コンサルタント協会会長、日本病院会参与 松田朗

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*四病協通信

 ▼介護保険制度委員会(13・11・20、第3回)…介護保険の保険請求返戻の事由や返戻未集金の税制上の取り扱い、在宅サービスとショートステイの一本化による問題点などを協議した。

 中医協診療報酬基本問題小委員会での〈療養病床6ヵ月超の特定療養費化〉の問題に対し、「医療・介護両保険の整合性が未整備な段階で国民に与える影響も大きいため、慎重に対処願いたい」旨の文書を総合部会に提出することで了承。介護療養型医療施設の整備が当初計画目標病床数に満たず、不足分を介護老人保健施設や介護老人福祉施設で充足する動きが出ている。整備縮小では、医療療養病床から介護療養型医療施設に移行できない施設も有り得ることから、介護療養型医療施設に転換しない理由や同施設を目指す考えの有無について、年内に意識調査を実施する予定。

 ▼医業経営・税制委員会(13・11・22、第4回)…大塚委員長より、民主党(11月7日)、自民党(同9日)に対する税制改正の要望の概要報告を行った。消費税要望に関しては、自見庄三郎議員(自民)の示唆もあり、また日医・日病・医法協の要望書に大きな差異がないことから、14年度税制改正要望として、ゼロ税率課税を掲げ日医と協調して消費税見直しを訴えることで了承された。具体案を日医・医業税制検討委員会に提出する方針。

 厚労省の「これからの医業経営の在り方に関する検討会」への対応で意見交換を行った。主な意見は次のとおり。@医法協会員アンケートより、医療法人の理事長要件の見直しには賛否がほぼ同数であったとの報告A財務(外部監査)のあり方については、外部監査の定義づけをし、医法協が自会員にアンケートを行う予定B情報開示について、診療情報と経営情報についていずれも開示の範囲を決めてほしい。また、経営情報開示には法的規制はなじまないとの意見があった。

 ▼総合部会(13・11・28、第6回)…「これからの医業経営の在り方に関する検討会」について、今後医療法人制度の見直しが議論されるが、日医と四病協とが協調して臨みたいとした。厚労省の「社会保障審議会医療部会」での医業経営の株式会社参入問題について、医療法人制度の矛盾をそのままにして参入を認めることには反対の意見が強かった。また参入目的が広告宣伝として使われる懸念も指摘された。厚労省の「医道審議会医師分科会臨床研修検討部会」について、臨床研修は医療の資質を高めるために行うものであるのに、保険診療を認めない∞医師数にカウントされない≠ネどの問題が挙がった。この点について、日医に対し検討部会に改善の働きかけを要請した。

 四病協医療制度委員会、介護保険委員会より次のような提言があった。▽医療機関別の包括評価の導入について=「患者1人当たり1日定額を原則とする」場合の算定方式で、初年度と次年度で指標となる在院日数、紹介率、逆紹介率等の取扱いに疑義がある▽高齢者等の長期入院に係る診療報酬上の評価の在り方について=入院基本料の特定療養費化が実施されると、患者の自己負担が5〜30万円程度増える見込みである。場合によっては病院を出ざるを得ないケースが生じ深刻な事態になる−など。

 高齢者医療制度・医療保険制度検討委員会は「今後の高齢者医療のあり方について」をとりまとめ所期の役割を終了。今後は医療制度改革を検討するため、医療制度改革検討委員会と名称変更することが承認された。同検討委員会で医療制度改革の問題点をアピールするポスターを作成し、各会員病院に配布・掲示を行う予定。

 ▼医療保険・診療報酬委員会(13・11・30、第6回)…11月18日の中医協総会で報告された「医療機関別の包括評価の導入」と「高齢者等の長期入院に関する診療報酬上の評価の在り方」について各団体が意見を出し合い協議した。前者の総論的なまとめとして、日本の急性期医療のあり方から考えると問題がある、との主張で固まった。後者についても、医療療養病床のあり方の見直し及び介護保険適用枠の拡大が必要との意見でまとまった。両者とも改めて意見書をとりまとめ、厚労省に提出する方針。

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【新入会員】
 ▼正会員=医療法人 整形外科米澤病院(72床)@会員・米澤幸平(院長)A所在地・〒920−0848金沢市京町1−30、076−252−3281
 ▼賛助会員=B 学校法人専門学校 大阪医専A〒531−0076大阪市北区大淀中1−10−3、06−6452−0110B専門学校
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 ▼同=B 財団法人産業医学研究財団付属アークヒルズクリニックA〒107−6003東京都港区赤坂1−12−32、03−3505−5151B医療
 ▼同=B 財団法人石川県予防医学協会A〒920−0365金沢市神野町東115、076−249−7222B医療C紹介者・日本総合健診医学会会長 田村政紀

 正会員   2781会員
 賛助会員   515会員

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*新刊案内

◆実務者必見・介護保険制度のすべて −日本医業経営コンサルタント協会会長 松田 朗編著−
 介護を医療から切り離し、その担い手を家族から社会へと引き継ぎ、サービス提供者を官から民へと広げた介護保険制度。日本は世界に類をみない速度で高齢社会に突入している。社会構造の変化や、差し迫った介護現場のニーズを前にして、介護保険制度の創設が要請されたのは当然のことといえる。

 編集者は、介護にかかわるすべての人が、介護保険制度の理念を理解し、その運用は、介護を受ける人とその家族の照準があうことを願って、本書をまとめている。刻々と変化を遂げ、成長し続けるこの制度の「今」を網羅している。むずかしい法律文をわかりやすく解説し、複雑な内容は目で見てわかる図や表などに編集しなおしているので、この1冊で介護保険制度のすべてがわかるとしている。

 介護にかかわる保健・医療・福祉分野の第一線に携わる人が、さまざまな問題や困難に直面したとき、本書をひも解けば解決の道が見いだせるとしている。
 (A4判・306頁、2600円 新企画出版社・電話03−3357−9251)

◆診断群分類ハンドブック −産業医大教授 松田晋哉監修−
 厚生労働省で試行調査が始まった〈急性期入院医療の試行診断群分類を活用した調査研究〉の全般の把握をめざした「診断群分類ハンドブック」(監修・松田晋哉産業医科大学教授、(株)社会保険研究所刊、A4判・474頁、5200円)が刊行された。本書は、調査研究事業の参加病院に配布された資料を、研究班の班長でもある著者がまとめたもの。

 諸外国とわが国それぞれの診断群分類の活用などを説明。付録に疾病、障害および死因統計分類・ICD10準拠を収録している。今後、同研究事業に参加を検討する際の判断材料にしてもらいたい、としている。
 問合せは社会保険研究所まで(電話03−3252−7977)。

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